錦繍録

書評とか.

2014-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「意志が未来を切り拓き、未来が過去を意味付ける」|人を助けるすんごい仕組み/西條剛夫

3.11から約一ヶ月後に発足した「ふんばろう東日本支援プロジェクト」の代表・西條さんが書いた著書。 実は西條さんは、ボランティアを長年してきた人でも災害時の復興支援のプロでもない。 大学で学問を教えている、専任講師である。 そんな西條さんが如何に…

「最終的に選手を高みに押し上げるのは『問い』のセンス」|走る哲学/為末大

以前は「侍ハードラー」の呼称で有名な為末大氏のエッセイ。twitterでの発言をまとめて編集しており、一つ一つの文章は繋がっていないけれどもその分シンプルでわかりやすく、納得・共感できる部分もある。 トラック競技における日本人初のプロ陸上選手であ…

「私は彼に挫折して欲しかった」|凍りのくじら/辻村深月

「SFは、何の略?」と問われて、なんて答えるだろうか? 一般的には「サイエンスフィクション」とすぐに導くだろうか。 日本が誇る漫画家の一人、藤子・F・不二雄氏はこれを、 「すこし・ふしぎ」の略だと言った。 「すこし・なんとか」 主人公・理帆子は、…

『公教育は、すべての人びとが<自由>に生きられるための<教養=力能>を育むという、本質を持っている。』|教育の力/苫野一徳

教育哲学者・苫野氏の著書。 最近「『自由』はいかに可能か―社会構想のための哲学」(NHKブックス)も出版された。 テーマ設定がかっこいい。 「よい教育」とはなにか? 教育のなし得る力や役割はなにか? 教育は、義務教育課程というかたちでみなが通る道で…

「悩んでしまった時に、まずできること。それは、選択肢をつぶしていくことです。」|ココロオドル仕事を見つける方法/仲暁子

ソーシャルリクルーティングサービス、「Wantedly」を運営しているウォンテッド株式会社CEOの仲暁子さんの著書。ちょっと前の本だけど、自分のタイミングとして今読めてよかったな、という感じ。 印象的だったのは、タイトルにあることば。 悩んでしまった時…

問題解決能力は、持って生まれた才能ではなく、「癖」。|世界一やさしい問題解決の授業/渡辺健介

「問題解決」「ロジカルシンキング」についてのセミナーを最近社内で受けたので、以前読んだ書籍を再読してみた。セミナーでも痛感したが、 「ロジカルシンキング」は身に付けることが可能な、問題解決の方法。 であり、 身につく「武器」なので、素振り練習…

不安感とストレスの高い人は、育児を始めてから出会うさまざまな育児懸念が、その場で解消しないでつぎつぎと持ち越される人に多い。|親子ストレス-少子社会の「育ちと育て」を考える-/汐見稔幸

幼児教育分野では著名な汐見先生の十数年前の著書。 ”育児”は、読んで字の如く「児(子)を育てる」 と書くが、それは一体「誰が(どんな存在が)育てる」のだろう。 親?もちろん、そうだ。 でも、親の存在だけで子は育つだろうか?答えは、NO。 本著のサブ…